TIMEDOMAIN mini E type の楽しみ方 その4〜市販NOSDAC-2編

CDの音源に対して何も加えないピュアな再生環境であるNOSDACは、音源をストレートに再生する“TIMEDOMAIN mini E type Tuned by T-Loop”と相性抜群です。そこで、T-Loop試聴室で市販のNOSDAC製品を購入し、実際に鳴らしてその実力を試しています。

今回はその第2弾!中国は深圳より個人輸入で取り寄せた「QLS Mini1543 DAC」の試聴記です。

ちなみに、NOSDACとはNon Over Sampling Digital Analog Converterの略で、CDなどのデジタル信号をそのまま何も加工せずにスピーカー再生用のアナログ信号へ変換する装置です。

市販NOSDAC-2「QLS Mini1543 DAC」

今回購入したのは、QLS Mini1543 DACという中国メーカーのNOSDACで、DAC cox FLと同様にTDA1543というNOSDACチップを使った製品です。
ただし、このMini1543 DACはDACチップが一つだけの正真正銘シングルNOSDACです。日本では、ほとんど自作キットでしか手に入りませんが、QLSでは製品として製造・販売しています。

さて、その音は如何に!

“TIMEDOMAIN mini E type Tuned by T-Loop”で、MacBook Proのヘッドホン端子出力と光デジタルケーブル経由Mini1543 DAC出力の再生を前回のPro-Ject DAC BOX FL と同じ音源で聴き比べてみました。

ジョー奥田 〜 「AMAMI」

第一関門は自然音。

自然音で良質な音源としてお勧めのジョー奥田さんの作品で聴いてみました。

「AMAMI」の8曲目「Mid Night Party」を聴くと、DAC box FLに比べ一見大人しい音に聴こえます。しかし、その落ち着いた中の水音も鳥の声も虫の音も、質感が上がり、透明感のような雰囲気が出てきました。前後に広がる森の中の空気感が豊かです。

DAC BOX FLとMini1543 DACの音の差は、こうして聴き比べないとわからない僅かなものですが、NOSDACらしい本来の響きや余韻は、シングルDACチップのMini1543 DACの方が、一枚上手のようです。

ロストロポーヴィチ 〜 「バッハ:無伴奏チェロ組曲全曲」

さて第二関門は、NOSDACチェックで定番となりつつあるロストロポービッチの無伴奏チェロDVD。天井の高い石造りの教会でライブ収録されたこのDVDには、演奏だけでなく、チェロ本体の余韻や奏者の息遣い、周囲の壁からの反射音、そして天井の高さを感じる響きと、豊富な音がつまっている作品です。

Mini1543 DACで再生した音を聴くと、演奏中のチェロ本体の響きが豊かになりました。ただ、MacBookProのヘッドホン出力とは明らかに違いますが、DAC box FLとの差はなかなか解らないような差です。
でも、動画の2分40秒前後の弾き終わりでは、両NOSDACで多少差が出ました。
DAC box FLだと、余韻の量が豊かに響きます。しかしmini1543DACでは、水平の余韻量はそこそこで、壁の上方向に広がる余韻が豊かになりました。また上に抜ける倍音も多少増えたように思います。

NOSDACもシングルと4パラを比べると、4パラにすることによってかき消されてしまう音があるようです。ただし、この微妙な差は聴く人の好みにもよるので、聴いて好きな方や音源との相性で選んでもよいレベルと思います。

全般的に大健闘のmini 1543 DACですが、多少難点もあります。

まず、個人輸入での入手となること。特に中国からなので、季節によって納期がかかったり、箱潰れなどのリスクがあります。
また、今回輸入したものはACアダプターが添付されておりませんでした。添付される例もあるようですが、いずれにしろトランスタイプのACアダプターを買い足す必要があるようです。
あと、多少音量が小さいこと。これは、聴き比べない限りそれほど欠点にはなりませんが、lightやminiでは音量の限界がありますので、広〜い部屋で使う場合は音量不足となる場合があるかもしれません。

でも、これだけの音が楽しめるわけですから、手軽にNOSDACを楽しむなら、「mini1543 DAC」は良い選択となるでしょう。
こうした必ずしも必須でないオーディオ製品が、中国では豊富なバリエーションで作られていることに、中国の発展の勢いを感じます。いつのまにか日本はこういうもの作りの小回りがきかない国になってしまいましたね。

さて、市販のNOSDAC製品は限られますが、今後も購入可能なNOSDAC製品があれば、試して行く予定です。

なお、NOSDACでより一層ピュアな再生環境を体感できるタイムドメインmini E type Tuned by T-Loopの購入は、こちらからどうぞ。

T-Loopでタイムドメインユーザーオフ会&由井社長来社

2012年2月5日(日曜日)。
ツイッター等で知り合ったタイムドメイン仲間が新年会で集まることとなりましたが、その前にT-Loop試聴室を会場にオフ会が行われました。昨年NOSDACをお貸しいただいた「〜新大陸への誘い〜」のたくぼんさんをはじめ、「TAD WITH TIMEDOMAIN」のTADさんやGS-1オーナー方々他、タイムドメインをこよなく愛好するユーザーが集まりました。

そして、なんと!なんと!京都からタイムドメイン社の由井社長も駆けつけていただき、総勢11名の盛大なオフ会となりました。

しかし、通常のT-Loop試聴室ではこの人数は入れません。

そこで、隣のスペースに特設試聴会場を設置。
TIMEDOMAIN Yoshii9やmini E type2台、light2台を用意し、万全の比較試聴体制でお迎えしました。

オフ会では、まず初めに、弊社オリジナル“TIMEDOMAIN mini E type Tuned by T-Loop”の音をさらにグレードアップする銅板製インシュレーターの試作品と、tadさん作のボールベアリング&軸ベアリング製インシュレーターを皆で聴き比べました。共に、スピーカーを1点支持して音を改善しようとするものです。インシュレーターの有無や各インシュレーターの違いを2台のmini E typeを使って比較試聴しました。
皆さんのご意見は、銅板インシュレーターの方が好評となりました。

そこで、由井社長のアドバイス。

ボールベアリングだけにして、支持位置を重心に近くしたら、かなり銅板インシュレーターに近い状態となり、「もう、どちらでもいい」となりました。

さすが、由井社長のアドバイスは奥が深く、効果てきめん!
さらにいただいたボール3点支持のアイディアは、後日試してみることにしました。

続いて、本日のメインイベント!!

日頃、皆さんが温めていたNOSDACの聴き比べ大会です。

まずは、iPhone 3GSで耳慣らし。
ところが、始まってそうそう「iPhone 3GSでも十分だね。」の声もちらほら。
よくあるオーディオ試聴会のしかめっ面&腕組とは違って、終始和やかで笑いの絶えない試聴会。皆さん基本は音を楽しむ方々でした。

tadさん作「QA550改+1543NOSDACキット改」

今回のエントリーは、弊社で購入した市販のNOSDAC「Pro-Ject DAC box FL」、個人輸入の中国製「QLS NOSDAC」、tadさん作のSDカードプレーヤー内蔵「QA550改+1543NOSDACキット改」、Maruさんがお使いの「devilsound DAC」、そしてたくぼんさん作ワイヤレスNOSDAC「RATOC REX-Link2S改+1543NOSDACキット改」。

まずは「DAC box FL」。
これは、TDA1543というNOSDACチップを使っていますが、それを4つ並列して音を稼ぐ4パラ方式の製品です。なるべく何も加えないNOSDACからすると、1つで十分なわけで、案の定他のシングルNOSDACと比べて音のクリアさが多少落ちます。しかし、こうして切り替えながら聴いて分かる程度で、通常のオーバーサンプリング系DACと比べれば、忠実度は明らかに上との意見でした。さらに、音源にシビアになるシングルNOSDAC系に対して、どんなソースでも聴きやすい音との評判となりました。

中国製「QLS NOSDAC」は、シングルNOSDACで無改造状態です。何もしない基本そのままなので、音の透明度はかなかなの実力です。ただ、回路方式の特性で出力が弱く、他と比べると全般的に地味な印象となってしまいました。これは、もう少しボリュームを上げて聞けば、良かったかと思います。

tadさん作の「QA550改+1543NOSDACキット改」は、SDカードリーダーが内蔵され、音楽データからDAC出口まで一体化されたものです。各所を電圧に応じて電池駆動するなど、余計な部品を極力廃し、吟味したパーツを使用して組み上げた渾身のNOSDACです。
実際に聴いてみると、今まで他のNOSDACでも十分と思っていた音がはやり各所で改良されていて、より忠実に近づいた逸品でした。ご自分で不満に思っていた部分も、mini E typeやYoshii9では特に問題はなく、自宅のアンプや自作SPの色が出ていたことがわかったとのことでした。

Maruさんの「devilsound DAC」も市販で購入可能な製品を無改造でお使いになっています。その実力は、tadさん作のNOSDACに迫るもの。
市販品の中では断トツという結果となりました。

「devilsound DAC」は、USBケーブルの途中に組み込まれていて直接RCAステレオ出力が出るという、無駄を一切排した製品です。PCから音楽を再生するPCオーディオ派にとっては、簡単で強力な候補となるでしょう。
ただし、音声光入力や同軸入力はできませんので、CDプレーヤーやテレビでは使えないのが残念です。また、Maruさんは特別なUSB HUBを持ち込んで電池駆動されていました。

たくぼんさん作「RATOC REX-Link2S改+1543NOSDACキット改」

さて、最後にたくぼんさんの「RATOC REX-Link2S改+1543NOSDACキット改」ですが、最先端のTDA1541&真空管NOSDACは持ち運び不可能なため、今回お持ちいただいたのは使い勝手重視で作られたものだそうです。ご自身ではいろいろご不満もあるようですが、明らかにシングルNOSDACの音でかなりハイレベルなものでした。そして、離れたMacBook Airから次々と再生し、CDもYouTubeも自由自在に再生できる点は、かなり魅力的でした。

いろいろとNOSDACを聴いた後、由井社長のご意見を伺うと、「どれもいい」とのこと。
今回エントリーのNOSDACは、いずれも由井社長の耳にかなう、ハイレベルの僅差だったようです。

そして、最後はたくぼんさんのMacBook Air+ワイヤレスNOSDAC+Yoshii9で、玉木宏樹さんが出演された題名のない音楽会YouTubeを皆で見て、故人を追悼しつつ、大盛り上がりで締めとなりました。

この他にも、由井社長の逸話もたくさんお聞かせいただき、とても充実した一日となりました。
そして、TIMEDOMAIN mini E typeは昨年発売前に一度お聴きいただいておりましたが、これほど長くじっくりお聴きいただいたのは初めてでしたから、ご満足&高評いただき、ホッと一安心でもありました。

このあとは、銀座に場所を移し新年会。話は尽きる事なく盛り上がりました。

遠いところ試聴室まで来ていただいた皆様、そして何より京都から駆けつけていただいた由井社長に感謝し、タイムドメインの普及・発展に、決意を新たにする一日となりました。

オフ会&新年会の詳細は、各ブログにアップしていただいていますので、こちらをご覧ください。

たくぼんさん「〜新大陸への誘い〜

tadさん「TAD WITH TIMEDOMAIN

なお、T-Loop試聴室にてタイムドメインスピーカーの試聴をご希望の場合は、こちらのフォームからどうぞ。
休日や平日18:00〜以降もご予約にてご利用いただけます。