SDカードプレーヤー「Lotoo PAW Gold」試聴記

2014年12月に発売されたハイエンドSDカードプレーヤー「Lotoo PAW Gold」を輸入元から借りることができましたので、その実力を試聴記としてまとめました。

「Lotoo PAW Gold」は、中国のInfomedia社が開発したDSD対応のSDカードプレーヤーです。Infomedia社は、主に放送局の機材を開発・製造しているメーカーで、中国国内では75%のシェアを持ち、スイスの名門録音機器メーカー「ナグラ」社の開発委託先でもあります。

そのInfomedia社がコンシューマー向けブランド「Lotoo」製品として発売したのが、「PAW Gold」です。

「Lotoo PAW Gold」は28万5千円のハイエンドSDカードプレーヤーとなりますが、プロ用機材で培った音への探究心がたくさん盛り込まれており、Burr Brown製DACチップや航空機クオリティのジュラルミンボディ、サファイヤガラス採用など、妥協の無い仕上がりとなっています。大きさはHiFiMAN HM-602と同等の手のひらサイズですが、持つとずっしり重く、その堅牢さが印象的です。
SDカード再生専用で、USB DACとしては使えません。充電しながらの再生もできず、ACノイズレス、PCノイズレスを徹底した、バッテリー駆動による最高の音楽再生を実現することに徹したSDカードプレーヤーです。

この「Lotoo PAW Gold」の実力は如何に!

そこで、T-Loop試聴室にあるdevilsound DACやHiFiMAN HM-602Slim、iFi-Audio micro iDSDと聴き比べてみました。

「Lotoo PAW Gold」は、DSD64(2.8MHz)、DSD128(5.6MHz)、PCM8kHz〜384kHzに対応しています。iFi-Audio同様にアップサンプリングを一切しないところが、さすがわかってらっしゃる方々です。

まずは、Lotoo PAW GoldとiFi-Audio micro iDSDでDSD音源を聴き比べてみました。いずれもDSDらしい情報量。DSDの情報量とは、音数の多さレベルを超えた収録現場の空気感や距離感の多さが違いとなります。楽器までの距離、楽器から後ろの壁までの距離、天井の高さなど、そこに居る感じに必要な情報が豊富なのがDSD音源です。

これは、両機種ともにDSDらしさ全開の聴き心地!

ネイティブDSDを謳う双璧だけあって、音源を変換しないでそのまま再生するので、音の傾向も同じようです。

続いてPCM音源を聴き比べてみました。いずれもフィルターやイコライザー類を全てオフにしたNOSDAC状態での比較となります。

一番自然な音はフィリップス製TDA1543を搭載したHM-602。それに対してインパクトが強めで解像感があるのがdevilsound DAC。micro iDSDはdevilsound DACに近い傾向となります。

PAW Goldの音はというと、HM-602に近い自然な音でした。開発意図には説明はありませんが、余計な処理を極力加えないNOSDAC的な仕上がりとなっているようです。でも単に自然な音なだけでなく、よくよく聴くとHM-602よりもたくさんの音が聴こえてきます。これは、時間軸(タイムドメイン)のブレが少ない上質なDACを聴いたときの傾向。伊達に高いだけではないようで、時間ぶれの少なさが音の差として出ているようです。

それを裏付ける現象が、車で聴いた時にやたら音の通りが良いことです。
走行中のあらゆる雑音に負ける事無く、音量を絞り気味でも聴こえて来るのが印象的でした。

これは、かなりな実力の持ち主ということと思います。

外観やディスプレイ表示は、どちらかというと録音機のような雰囲気で、好みは分かれるかもしれませんが、質実剛健を体現したようなLotoo PAW Goldは、使い込む程に価格なりの満足感が出て来るのではないでしょうか。

バッテリーも約11時間保ち、メニューやディスプレイ表示類はしっかり作り込まれているので、価格なりの質感は十分と思いました。

さて、「Lotoo PAW Gold」は弊社でも取り寄せることが可能です。購入希望の方はメールにてお問い合わせください。
なお、貸出機は忙しいようですので、T-Loop試聴室には常設しておりません。試聴のご希望があれば、機会を設けてLotoo PAW Gold試聴会を行う予定です。試聴についてもT-Loop試聴室のフォームからお問い合わせください。